公開: 2024年7月20日
更新: 2024年7月21日
封建社会であった江戸時代には、戦争で戦うのは、武士階級に属する人々でした。江戸の末期から、農民階級でも、剣術を習い、戦うことを職業とする幕末の「新撰組」の隊士のようになる人は居ましたが、その数は少なく、まれな存在でした。新選組の近藤勇や土方歳三などは、そのような農民出身の剣術家です。
近代になるまでのヨーロッパでも、封建社会では、農民階級の人々が、戦士として戦うことは、稀(まれ)でした。フランスとイギリスの戦争で活躍した、ジャンヌ・ダルクは、農民の出身で、まれな例の一人でした。近代になると、ヨーロッパでの戦争の形態が変化して、大砲と歩兵を使う戦争になり、後方から大砲を撃つ砲兵と、前方に立って、敵軍の兵士と戦う、歩兵に分かれました。歩兵は、数が必要なことから、市民に銃を持たせる例が増えました。
この大人数の歩兵を準備するため、近代国家では、国民から歩兵になる人々を集めるため、徴兵制を採用するようになりました。全ての国民、特に男性は、徴兵制度の対象者になりました。歩兵として軍に徴用するためには、ある程度の知的能力を必要とします。このため、各国では、歩兵として知っておかなければならない知識を教育するため、義務教育制度を導入し、文字の読み書き、簡単な四則計算などを、教えました。